発達をチェック!原始反射の種類と統合の確認方法

最終更新日:2025/2/7

こんにちは!
0歳からの幼児教室EQWELチャイルドアカデミー
EQWELTIMES編集部です。

生まれたばかりの赤ちゃんを見ていると、手足や体を不随意に動かしています。
これは、生まれながらに備わる自発運動(ジェネラルムーブメント)と、外界からの刺激に対しておこる反射運動によるものです。

「反射運動」の中で主に乳児期(1歳未満)に出現するのが「原始反射」です。
原始反射とは、赤ちゃんが外界から受けた刺激によって、
自らの意思とは関係のない不随意な運動となって現れる反応のことです。

一般的に、脳の発達が進み、ヒトらしさを象徴する思考や言語、
随意運動を司る脳の部位が発達してくる頃には、これらの原始反射も消失し(統合され)ていきます。

赤ちゃんの体の成長は目に見えますが、脳の成長発達は一目ではよく分かりません。
脳の発達段階を確認するためにも、原始反射の適期の出現と統合を確認することが大切です。

今回は、発達をチェック!原始反射の種類と統合の確認方法というテーマで、原始反射の統合の確認方法についてお伝えします。

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原始反射は、生後間もない赤ちゃんが、生命を維持するために備えられた重要な機能ですが、
自らの意思で体の動きをコントロールする随意運動の発達が進んだ後にも反応が続くと、
スムーズな運動コントロールの妨げになることがあります。

その意味で、この原始反射の統合は、運動・学習・社会性の順調な発達にも影響しています。
原始反射の種類はたくさんありますが、ここでは出現の確認がしやすい4つの原始反射を紹介します。

1.モロー反射

【モロー反射とは】
赤ちゃんが、大きな音や強い光、急な姿勢の変化など、外部からの刺激を受けたときに、
両手を広げた後、ゆっくりと何かにしがみつくような動作をします。それを「モロー反射」といいます。

モロー反射は、生後0か月~4か月頃によくみられる原始反射で、出現の時期や強さには個人差もあります。
赤ちゃんの1か月検診では、中枢神経の機能や、聴覚機能の確認のために行われます。

【モロー反射の確認方法】

1. ひざ立ちになり、両手で赤ちゃんの首から後頭部を支え、20cmほど頭を上にあげます。
2. 1の状態から、頭を急に少しだけ落下させて再び受け止めます。

 
【ポイント・注意点】
・頭が床に当たらないように、下にクッションなどを敷いて安全な状況で行いましょう。
・首がすわっていない間は、必ず首と後頭部を支えて行うようにしましょう。
・1か月検診の際、特に医師から指導を受けていなければ健康上問題はありません。
 モロー反射が見られないからといって、過度なやり方で確認したり頻繁に行う必要はありません。

 

2.把握反射(手・足)

赤ちゃんの手や足指の付け根あたりに触れたときに、反射的に握りしめる動作を把握反射と言います。
※手の把握反射は「手掌把握反射」、足の把握反射は「足底把握反射」

【手の把握反射の確認方法】
1. 赤ちゃんの手をそっと開かせてから、保護者の指を赤ちゃんの小指側から差し込みます。
2. 赤ちゃんがどのくらいの強さで握ってくるかを憶えておき、日を置いて何度か繰り返してみましょう。
3. 徐々に握る強さがゆるんできているか、普段から手を握っていることが少なくなってきているか確認しましょう。

【足の把握反射の確認方法】
1.赤ちゃんの足の指の付け根を指先でやさしくつついてみましょう。
2.ギュッと全部の指を閉じるか確認します。閉じ方がゆるくなったり、閉じなくなったりするか確認しましょう。

【ポイント・注意点】
・両手・両足ともに行いましょう。
・抱っこしてあやしている時など、手足をマッサージすることでも統合が促されます。スキンシップの一環として行うとよいでしょう。
・手の把握反射は、赤ちゃんが、自分の指をしゃぶったり、身近にある寝具を引っ張ったりする中で、
随意的に指を開くようになる、3~4か月ごろには、あまり見られなくなります。
・足の把握反射は、自立歩行の準備が整い始める9~12か月ころには、あまり見られなくなります。

 
 

3.バビンスキー反射

バビンスキー反射とは、生後すぐから1歳台くらいまでにみられる原始反射で、
神経系の発達指標として重要な反射です。

【バビンスキー反射の確認方法】
1.足の裏の外縁を、かかとからつま先へと手でさすります。
2.足の親指は甲側に反り、ほかの四指は外側に開くか確認しましょう。

【ポイント・注意点】
・ 両足とも行います。
・赤ちゃんの脚を持っている保護者の手の力が強すぎると反応が出にくい場合があります。

 
 

4.非対称性緊張性頸反射(ATNR)

ATNRは赤ちゃんが胎内にいるときから出現しており、この反射運動を通して赤ちゃんは胎内で手足や体の筋肉を発達させたり、
産道を通るときに役立たせたりしていると考えられています。

赤ちゃんがあお向けやうつ伏せになったときに、顔を左右どちらかに向けたときに、向いている側の腕と脚が伸び、反対側の腕と脚が曲がる原始反射です。
ATNRが統合されるころに、寝返りができるようになります。

非対称性緊張性頸反射

【ATNRの確認方法】
1.赤ちゃんをあお向け状態で寝かせます。
2.赤ちゃんの顔の向いている側の腕と足がまっすぐ伸び、反対側の腕と足は内側に曲がるか確認しましょう。

【ポイント・注意点】
・ATNRの確認のために、赤ちゃんの頭の向きを強引に変えない。
・日常的な寝姿勢(起きているときも含む)で、向き癖が出ている場合は左右差が大きいので、
向き癖がつかない環境設定にも配慮する。

どの原始反射も確認は、赤ちゃんが機嫌よくしているときに、赤ちゃんとの遊びの一環として行うとよいでしょう。
(泣いていたり、他のことに意識がいっているときには反応が出にくい場合があります)

【まとめ】
・脳の発達とともに原始反射は統合される
・原始反射の統合を確認することで、正常な脳の発達を確認することができる

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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