兵庫県 Mさん
国際的なロボット競技大会『ロボコン』に出場したMさん。2年連続日本チャンピオンに輝き、世界大会でも入賞しました。輝かしい成績を残したMさんのこれまでを、ご本人とお母さまに伺いました。
5歳から通室したMさんは「楽しかったし、褒めてもらえる場所でした」と振り返ります。お母さまも「先生がよく褒めてくれて、支えになっていたようです」と。Mさんは折り紙や工作が得意で、作ると先生に見せていたそう。
「褒めてもらうことで、また作ろうという意欲もわきました」と思い出を語ります。
おうちでは、読み聞かせや当てっこあそびなどをしていたMさん親子。「よくお風呂で色のイメージのキャッチボールをして『お母さんが考えている色を当ててみて』と言うと、ほとんど当たり。こんなにも親の想いをキャッチしているんだと驚きました。教室を通じて親子の強い信頼感が実感でき、親の思考で子どものことを決めてはいけないと思いました」とお母さま。
また、「嫌いなことは徹底して避けるので、悩んだ時期もありました」とのこと。「でも、先生の言葉を思い出して、それも個性と思って受け入れられたんです。毎週教室に行くことでも初心に戻らせてもらい、子どもはそのままで100点と、教室のおかげで大切な考え方が身につきました」と、親にも大きな効果があったと話します。「母親教室で食の大切さなどを教えてもらったことなど、たくさんのことが今でも役に立っています。」と、お母さまも当時を振り返ります。
小さいころから電車の車止めやトイレの鍵などを作ってほしがったというMさん。それに応えてお母さまは、悪戦苦闘しながら厚紙などで作っていたそう。3歳の時にはハサミが上手に使えるようになり、折り紙や工作、プラレールなど自分で作ることを楽しむようになりました。
そんなM少年の興味はどんどん広がり、構造や回路などの本を読んでは実際に作って探る日々。そして神戸市で毎年開催される『小学校理科・生活作品展』では3年生の時から受賞。「1、2年生の時はレベルが高くて親が作ったと思われたようで。3年生以降は毎年選ばれました」。
Mさんは「ディズニーランドに行った記憶から、遊園地のジオラマを作りました。毎日夢中になって、イメージしたものを形にしました。手間をかけて、すごい大作を作ったと自分でも感心します」と、発想の原点は日常や楽しい経験の記憶にあったと話します。「プラレールを始めたら満足するまで何日もつなぎっぱなしにしたんです。お掃除ができないから片付けてと言いたくなるけど、子どもの創造力は果てしない。自由にさせてあげると立派なものができるんですよね」。
子どもの興味をしっかりキャッチして、のびのびさせてあげることの大切さをお母さまは実感したそうです。Mさんも「プラレールやジオラマ作りなどに夢中になったことで集中力が養われたのかも。好きなことをやり続けられる環境があったおかげだし、ありがたいと思っています」と語ります。
教室では暗唱をすることが多々。「おかげで暗記力がついた」とMさん。5歳のころ自分で繰り返しテープをかけた、かけ算九九は一週間で暗記。円周率なども「楽しくて、繰り返し聞くだけで覚えていました」とのこと。おかげで小学校では苦労なく勉強がこなせたそう。また、集中力も身につき、小学5年生から通った学習塾では先生から「授業中にほとんど吸収しているので休まないように」と言われたほど。培われた暗記力や集中力、理解力を発揮して最難関の中学受験に挑み、見事合格。その後、「やりたいことをやればいい」とのお母さまのアドバイスどおり、学びたいものがあった、日本で最難関ともいわれる東京大学に進学しました。
高校時代にロボットのようなものを作ったことがあったMさんは、『大学ロボコン』に出場するサークルと出会い、ロボットを作る日々が始まりました。1年間、思考錯誤を重ねて大会当日に備えました。3、4回生の時の大会では、見事優勝。世界大会にも出場し、入賞しました。「すべてをかけて寝る間も惜しんで、研究、製作に全力集中しているのが伝わるので、その一生懸命な姿に感動しています」と、陰ながら応援してきたお母さまは感慨深く語ります。
将来を考えMさんは「企業で人の役に立つ機械を作るか、今やっている人工知能の研究をもっと究めたい」と想いを馳せます。折り紙や工作から始まったMさんの物づくりへの思いは、未来の社会へと大きくつながっていくようです。
※所属、プロフィール等は取材当時のものです。
「あなたが大事」ということをさまざまな場面で言葉や態度で伝え、「両親から絶対的に愛されている自信」を持たせたり、「○○しなさい」など命令形の言葉を使わず子育てをしてきたお母さま。「電車に興味を持ったらあらゆる電車に乗りに行ったり、標識に興味を持ったら標識巡りに行ったり。してほしい、やりたいと言ったことには素直に応えてサポートしました」。遊びでも、ものづくりでも、興味のあることをいち早くキャッチし、のびのびと向き合える環境作りの工夫をされたそう。好きなことへのとことん集中が「学びの喜び」へとつながったとも教えてくれました。
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