この問いの答えを求めて、これまで20年以上に渡り、老若男女の能力開発法を研究してきました。その研究を深めれば深めるほど、幼少期の教育が大切であることがわかりました。さらにこの問いを突き詰めるために研究を進めていくと、どうも赤ちゃん期(胎児&乳児期)が大きなカギを握っていることがわかってきました。
ですので、その子どもたちがどのような環境で、どのようなトレーニングをして、どのように育っているかをつぶさに観察することができます。日本赤ちゃん発育学研究所では、その子どもたちの中でも、胎児、0歳、1歳の赤ちゃんを対象に、環境づくりや日々の接し方と発育との関係の研究を深め、メソッド化し、発信していきたいと思います。この研究を通じて、一人でも多くの子どもが、より健やかで元気に賢く育つよう、日々勤しんでいきたいと思っています。
2019年4月 株式会社EQWEL
新未来教育科学研究所内に発足
対象人数(n=149)、2018年9~10月実施
※ハッピーベビーコースとは?
生後0~5か月の間、月1回、親子で参加する赤ちゃん発育促進コース。
1時間ほどのレッスンの中で、赤ちゃんの発達を促す取り組みや接し方のポイントが学べる。
【考察】
身体発達と見る力にかかわる取り組みに関して全体の3分の2の保護者がよかったと答えた。これは赤ちゃんの発育に関する知識と取り組み方法を実践的に学ぶことができたことに満足したということである。その他の取り組みも含め、このコースに通うことで通常では知ることのできなかった方法を学べたことが窺える。
【考察】
集中力、運動能力、理解力、記憶力、身体の成長といった脳の基礎能力やと身体の成長において、大きな成長があったと保護者が感じていることがわかった。半数前後ではあるが、そういった成長が実感できるということは、ハッピーベビーコースを受講することで、赤ちゃんの脳と身体の成長が促進される可能性が高いことが窺える。
A5サイズ 16ページ フルカラー
「0歳からはじめたい
子どもの能力を劇的に伸ばす3つのポイント」
(著)日本赤ちゃん発育学研究所
CONTENT
・赤ちゃんからが決め手です。
・Point1 原始反射の統合
・Point2 体を育む
・Point3 最新の育児研究について
・3000万語の格差 ...etc
ようこそ 赤ちゃん、わが家へ。
かわいくて大切な私の赤ちゃん。
この子には、ぜひとも幸せな人生を送ってほしい。
でも、赤ちゃんが生きていくこれからの100年は、
AI時代やグローバル化、環境問題に少子高齢化など、
まったく先行きが見えない時代・・・。
そんな時代でもたくましく幸せに活躍するには、
そのための能力の土台をしっかりと身につけておく必要があります。
それはいつから始めればいいのでしょうか?
答えは『赤ちゃんから』です!
赤ちゃんが生まれたら、すぐに始めましょう。
※小冊子は全国のEQWELチャイルドアカデミーで配布しております。
足の把握反射
2019年8月18日(日)株式会社EQWEL本社(大阪市)にて、明和政子先生による教育講演会が開催されました。この講演会には、全国のEQWEL講師の皆さまが参加され、現場の各教室において日々のレッスン内容や保護者の方への適切なアドバイスに生かせるよう研鑽を積みました。
講師の明和政子先生は、テレビにもよく登場される著名な方で、現在、京都大学大学院教育学研究科の教授を務めておられます。ヒトとは何か、という問いに向き合うため、「比較認知発達科学」という分野を世界にさきがけて開拓されました。ヒトとヒト以外の霊長類の心のはたらきを胎児期から比較し,ヒト特有の心の発達とその進化的基盤を明らかにしようとされています。
講演では、ヒトの育ちを科学的に理解するために必要な3つの基本的視点、「子どもが育つ・親も育つ」「発達は『でこぼこ』と進む」「ヒトは身体を介して他者から学習をする生物である」について説明されました。
参加されたEQWEL講師の皆さまからのアンケートでは、「科学的根拠に基づくヒトの脳の説明はとてもわかりやすく、理解が進みました」「イヤイヤ期の卒業、思春期の脳のメカニズムなど、大変勉強になりました」「タッチング、触れる触れられることが果たす大きな意義をあらためて知ることになりました」「本日の研修での学びを、現場のレッスンに生かせる学びがたくさんありました!」などの感想が寄せられ、今回のお話への深い共感が伝わってきました。
※著者プロフィール
明和 政子 (みょうわ まさこ)
京都大学大学院教育学研究科教授。博士(教育学)。京都大学院教育学研究科博士後期課程修了。京都大学霊長類研究所研究員、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て、現在に至る。専門は比較認知発達科学。主な著書に『まねが育むヒトの心』(岩波ジュニア新書)、『なぜ「まね」をするのか』(河出書房新社)、『心が芽ばえるとき――コミュニケーションの誕生と進化』(NTT出版)など多数。
2020年1月13日(月・祝)に日本赤ちゃん発育学研究所が主催した第1回・特別研究会をEQWEL大阪本社にて開催しました。参加者は、研究協力教室の先生方と本社スタッフの総勢25名でした。10:30~17:00まで様々なプログラムがありましたので、以下にその概要を記します。
「脳からみた『赤ちゃんの発達』」 株式会社EQWEL主席研究員 浦谷
生まれてからの1年間は、人間の基礎ができる最も大切な時期です。その時期に大きく発達する赤ちゃんの脳では何が起こりどのように発達していくのか。胎内での脳や身体の成長の仕方から、原始反射と脳の関係、運動がもたらす効果、アタッチメント(安心感の輪)と脳の関係等を学びました。
「0歳コースの成果を最大にするコツ」 株式会社EQWEL教務責任者 土平
生まれてからの1年間にどのような事をすれば、最大限の能力を引き出すことができるのか、どの時期にどのような運動が大切なのか等、赤ちゃんの成長を具体的にサポートするために必要な知識を学びました。
研究協力教室からの発表
〔木場教室 松本先生より〕
0歳児コースにどのように取り組まれて成果を上げているかについて、通われている方へのきめ細やかなサポートなども含め、熱い思いとともに発表していただきました。
〔たまプラーザ教室 茂木先生より〕
子どもの運動能力と学びの関係を研究される為に大学院へ入学し研究された経歴を持つ先生です。赤ちゃん期の運動サポートとその後の子どもの身体能力の発達について、動画を交えながら発表していただきました。
〔渋谷教室 坂本先生より〕
都心部における赤ちゃん事情や動向、保護者の方が何に興味をお持ちなのか、教室における取り組みや工夫等、最新情報を教えていただきました。
ラウンドテーブル
最後に、各教室の先生方からのご報告をしていただきました。その中には、「0歳児コースのテキストに沿って成長していく赤ちゃんの姿を目の当たりにして、このテキストが脳の発達段階を研究し、作成されたものであることに改めて感動した」
といったご意見もありました。
さらに赤ちゃんに対して、サポートする我々は何ができるのか、何をしていけばよいのか等、今後についての意見交換を行いました。
今回の特別研究会で改めて気づかされたのは、先生方の赤ちゃんや子ども達への熱い思いです。そんな先生方と一日学び、意見交換等ができ、有意義な一日となりました。ご出席された先生方への感謝とともに、赤ちゃんの発育と学びを最大限に促進する環境を推し進めていけるよう、研究協力教室の先生方と今後の活動に本日の内容を役立てていきたいと思っております。
(日本赤ちゃん発育学研究所 工藤 順子)
日本赤ちゃん発育学研究所の活動の一環として、2021年1月31日(日)に第2回・特別研究会が開催されました。
今年は新型コロナウィルスの影響で、オンライン開催となりましたが、北は北海道から南は沖縄まで、研究に協力されている先生方、約50名が参加されました。日本赤ちゃん発育学研究所の担当役員である株式会社EQWEL 浅間取締役による開会の挨拶で、特別研究会が開始。はじめに、日本赤ちゃん発育学研究所の浦谷研究員より赤ちゃんコースのアンケート結果に関する報告がありました。
赤ちゃんコースのアンケート結果
研究協力教室より回収したアンケートをまとめた内容でしたが、昨年と同様に、HBコースの受講生は発達面が優れている、という結果となりました。うつぶせ頭上げと追視の角度は通常の発達と同レベルでしたが、他の取り組みはほぼ1~2か月発達が早くなっています。この時期の1、2か月の発達の違いは小学生の1年分にも等しいものがあるということなので、この差がどのような意味を持つのか、その後の成長も見守られている先生方にはうなずける結果だったと思います。また、HBコース受講後、幼児コースや英語コースに入室したお子さまの追跡調査では、身体の発達面だけではなく、集中力や好奇心といった面でも優れているという報告が多かったとのことです。アンケートの回答一つひとつから、お子さまへの愛情や先生方の熱意が伝わってきました。受講されたお子さまのさらなる成長が楽しみです。
基調講演 演題:『脳から見た「赤ちゃんの発達」2』
〔EQWEL日本赤ちゃん発育学研究所 浦谷 裕樹 研究員〕
続いて、同じく浦谷研究員による基調講演がありました。昨年は胎児や赤ちゃんの脳の発達や身体面の成長について学びましたが、今年は心の面の成長について学びました。さまざまな能力において、環境や刺激から最も学習しやすい「脳の感受性期」は0~3歳であるといわれています。中でも、心の面(情緒)は1歳前後がピークになるということで、この時期にいかに安心感を与えられるかが大切であり、そのために必要なアタッチメント(愛着)の重要性について学びました。安心感を与えられなかった子ども(ルーマニアのチャウセスクの子どもたち)の脳や精神面の発達上の問題を知ることで、その重要性を再認識しました。
講師力アップ講座 演題:『赤ちゃんとイメージ』
〔株式会社EQWEL教務責任者 土平 奈保美 先生〕
0歳児コースにどのように取り組まれて成果を上げているかについて、通われている方へのきめ細やかなサポートなども含め、熱い思いとともに発表していただきました。
教室発表
〔木場教室:松本 綾 先生、麻布教室:後藤 浩子 先生〕
それぞれの教室において、赤ちゃんの時から働きかけることの重要性を伝えるために、講師間での勉強会、保護者への働きかけ等、どのように取り組まれているかについてご報告いただきました。また、HBコースに通われた保護者の声や、講師から見たHBコースからの通室生の特徴も発表していただきました。お二人のお話をお聞きし、著しく成長する赤ちゃん期の重要性や、その時期にどのように接すると良いのかを学ぶことは、保護者や子どもにとっていかに有効であるのかが改めてわかりました。
ラウンドテーブル
昨年からのコロナ禍により、今年は特別研究会もZoom開催とさせていただいたことも含め、私たちの生活様式が大きく変化いたしました。そのため、ラウンドテーブルでは「コロナ禍における生活スタイルの変化」「スマホ育児(ながら育児)」といったテーマを中心に、先生方のご意見をお伺いしました。
コロナ禍でリモートワークになり、「子育ての大変さを夫が理解し協力的になった」「子どもと過ごす時間の増加により会話も増えた」といった保護者のご意見がありました。また、教室でも「今まで以上に保護者さまとの交流が増えた」といったメリットをお聞かせいただきました。一方で、子育て支援の施設が予約制になるなど、相談や情報収集に関しては不便さや不安を感じている保護者さまもいらっしゃるようです。
また、マスク生活によって、子どもたちの発達(特にコミュニケーション)に悪影響があるのでは?と心配される意見もありました。その参考事例として、浦谷研究員より「園で数か月間(白い)マスクをつけた先生方に育てられた赤ちゃんは、言語聴覚士から『今年の子どもは少し言葉の遅れがある』との報告を受けたため、先生方が透明マスクを着けて接するようにしたら言葉の発育がよくなった」といったお話がありました。
スマホ育児に関しては、アプリを活用されている方が多いようでした。中には、お子さま(幼児)がYouTubeやゲームにハマっているといったお声もありました。こちらも浦谷研究員より、小中学生の事例ではありますが、スマートフォンやテレビの視聴時間の長さは学力の高さと反比例し、まったく見ない子どもと1時間で止めることができる子どもの学力が最も高かったという調査結果があると伝えられました。さらに、幼児期も2歳まではできるだけ動画を見せることは控え、5歳くらいまでは「見るのは1時間まで」などとルールを設けることが重要であるとのことでした。
最後に、EQWEL教務統括役員である株式会社EQWEL 宮沢取締役による閉会の挨拶で特別研究会が終了。
全体で3時間と短時間ではありましたが、コロナ禍によりいろいろなことが変化する中、お子さまや保護者の皆さまへの指導に従事されてきた先生方のご意見を伺うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。ご参加いただきました先生方、本当にありがとうございました。先生方のご意見や思いを活かし、今後も『ヒトはどこまで伸びるのか』を追究していきたいと思います。
(日本赤ちゃん発育学研究所 工藤 順子)
【調査の趣旨】
ハッピーベビーコース〔以下、HBコース〕(0~5か月児のレッスン)を受講した子どもたちの発育(発達)状況、ならびに受講していない子どもたちとの差を調べる。
【調査方法】
【調査結果概要】
EQWELチャイルドアカデミーでは、2012年より0~5か月児を対象としたHBコース(月1回50分のレッスン)を開始した。この度、HBコース受講生の発育面の調査をしたところ、一般の子(未通室生)やHBコース非受講生(通室生)と比較して、いくつかの面において発育が早いことがわかった。
HBコース受講生の保護者は家庭における課題取り組みや絵本読みに、より熱心に取り組む傾向があり、そのおかげで、子どもたちの脳と心と体の発育・発達が早くなったのだと考えられる。
〔1年目: 胎教コース〕
【感想】安心、愛情UP、語りかけ、勉強になった
〔1年目: HBコース〕
1.発達面の成果
2.保護者の働きかけ
(※)【語りかけのコツ】
1.スキンシップをしながら
2.赤ちゃんの目を見て
3.笑顔をベースに、表情豊かに
4.名前を呼んでから
赤ちゃんに語りかける
3.講師のコメント
4.HB卒業生(最高・現7歳)保護者のコメント
〔2年目(1年目を含む): HBコース〕
1.発達面の成果
(HB受講生と非受講生との違い)
2.保護者の働きかけ
〔2年目: 桃・赤コース〕
1.発達面の成果
※発達面で10%以上の差が出たものを以下に記す
2.講師のコメント
(HB受講生と非受講生との違い)
3.保護者の働きかけ
(全体〔6~18か月〕)
課題取り組みに対して、毎日取り組む率
〔6~8か月時〕
絵本を1日6冊以上読むの割合
〔6~18か月時〕
4.HB受講者の保護者のコメント
【所感】
〔通室生全体:HBコース受講生&非受講生〕
全体的な傾向としては、ほぼすべての保護者が「語りかけのコツ」を教室で学んだ後に自宅で実践しているので、通室生(子ども)の心(情緒)が豊かに育まれている一因となっていると考えられる。
スマホ利用は、教室でのスマホ利用減への啓発が影響したのか、調査1年目の使用率は半数(50%)だったのが、調査2年目には使用率が3分の1(約33%)に減った。コロナ禍においては育児におけるデジタルデバイスの使用率が上がったが、発育面での弊害も報告されているので、好ましい傾向だと思われる。
〔HBコース受講生と一般の子、非受講生との発育面の違い〕
HBコース受講生は一般の子(未通室生)や非受講生に比べて、身体面・知能面など、いくつかの面において発育が早いことがわかった。
HBコース受講生の保護者は家庭における課題取り組みや絵本読みに、早くからより熱心に取り組む傾向があり、そのことが子どもの発育・発達を非受講生よりも促進しているのだと考えられる。
0~1歳の赤ちゃん期は発育・発達面において、脳・心・体に劇的な変化をもたらすため、この時期の環境設定や保護者の接し方、刺激の与え方が子どもの発育に大きな影響を与えるのは想像に難くない。赤ちゃん期には僅かな差であった発育の差も、その後も引き続き好ましい環境設定や接し方が続けられれば、やがて子どもの発育に大きな差として顕著に現れることになる。この調査結果はその一端を示したものにすぎないが、こういった結果を踏まえ、是非、多くの保護者に発育を促進する0歳の早期からの取り組みの大切さを知ってほしい。
株式会社EQWEL 新未来教育科学研究所 主席研究員
工学博士、理学修士
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https://www.eqwel.jp/30th/book.html
新刊『赤育本』好評発売中!!
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EQWELチャイルドアカデミー
研究協力教室(22教室)
こんにちは! 0歳からの幼児教室EQWELチャイルドアカデミー EQWELTIMES編集部です。 今回も、知っておくとためになる胎児期の話をお伝えします! 胎児の能力開発として、子どもに興味を持ってほしいことを妊娠中にたくさん意識したり、聞かせたり、取り組んだりする方法があります。 将来子どもに身につけてほしい素養や人格、スキルがあるならば、胎児のうちにできるだけたくさん、そ...
こんにちは! 0歳からの幼児教室EQWELチャイルドアカデミー EQWELTIMES編集部です。 今回は、知っておくとためになる胎児期の話をお伝えします! 生命の誕生は神秘的です。 胎児や赤ちゃんが発達するプロセスを知れば知るほど、その繊細かつダイナミックな自然の営みに驚かされます。 とりわけ遺伝的に決まったプロセスが多いですが、環境設定や親の働きかけによって変化する部...
こんにちは! 0歳からの幼児教室EQWELチャイルドアカデミー EQWELTIMES編集部です。 今回も、おうちでできる幼児教育のコツをお伝えします! 赤ちゃん期には抱っこや愛撫、肌の触れ合い、運動の働きかけなど、身体的な接触(くっつくこと)をすることが大きなポイントとなります。 適切なアタッチメントによって、子どもの心身は健やかに発達し、自身や養育者※への「基本的信頼の基礎...