お手伝いのご褒美にモノを与えてはいけない!?
~ 誰かのために動く「喜び」を育む ~

こんにちは!
0歳からの幼児教室EQWELチャイルドアカデミー
EQWELTIMES編集部です。

今回も、おうちでできる幼児教育のコツをお伝えします!

皆さんは子どもがお手伝いをしたときに、ご褒美としてモノを与えていますか?
お手伝いを報酬制にしてしまうと、子どもは自分から動かくなくなります。

例えば、勉強が好きで試験を控えている子どもに、いい点数を取ってほしいからと、親が「次の試験で〇〇点とれば、欲しいモノをあげる」と約束するとします。

そうすると、子どもは欲しいモノのために頑張ってしまい、自分のためにしていた勉強への意欲が“欲しいモノ”にシフトしていきます。
そしてその後、勉強をしても欲しいモノがもらえなくなると、頑張らなくなってしまうのです。

これが「アンダーマイニング効果」です。

今回は、【誰かのために動く「喜び」を育む】というテーマでお伝えいたします。

【もくじ】 

1.お手伝いとご褒美
2.人助けで得る喜び
3.親が子どもを認めてあげる


 

 

1.お手伝いとご褒美

お手伝いとご褒美の関係について調べた認知心理学者・マイケル・トマセロ博士による、興味深い研究があります。

その実験では、1歳8か月の子どもたちを3つのグループA・B・Cに分け、その子どもたちそれぞれに、大人がペンや紙くずを下に落とし、机越しに取れずに困っている姿を見せます。

子どもは落としたものを拾って渡してくれますが、子どもがその人助けをするたびに、
・グループAの子どもには、小さなおもちゃをあげた
・グループBの子どもには、「ありがとう、○○ちゃん」と伝えた
・グループCの子どもには、受け取るだけで何のリアクションもしなかった
という対応を、それぞれ5回以上繰り返しました。

その後、すべてのグループで、子どもが人助けをしても何のリアクションもしないようにしました。

すると、グループBとCの子どもたちは、引き続き人助けをしましたが、小さなおもちゃをご褒美にもらっていたグループAの子どもたちだけが、明らかに人助けをする割合が減りました。

なぜでしょうか?

 

2.人助けで得る喜び

人は本来、人助けをすると喜びを感じるようにできています。

このような内から自然と湧き上がる喜び(内的報酬〔内発的動機のもと〕)があるから、BとCの子どもたちは人助けを続けました。

しかし、Aの子どもたちは人助けの報酬としてモノ(外的報酬)をもらったので、人助けの行為がモノをもらうための仕事になってしまいました。

ですので、その後モノが得られなくなったら、人助けをしなくなったのです。

このように、喜んでしていることにご褒美を与えることで、内なる喜びが感じられなくなり、やる気が失われてしまう現象を「アンダーマイニング効果」といいます。

お手伝いはその行為自体に喜びがあるので、ご褒美にモノを与えないほうがよいことがわかります。

また、幼稚園児による自発的な遊びについても、「アンダーマイニング効果」が生じ、事前にモノ(外的報酬)をあげる約束をしないほうがいいことが、別の研究でわかっています。

ですので、どうしてもご褒美をあげたいなと思ったときは、モノよりも、「ここがよくできているね」「よくがんばってるね」などと、プロセスや努力を認め、ほめる言葉をかけるようにしましょう。

お手伝いなどをお願いしたときも、感謝の言葉を伝えるといいでしょう。

 

3.親が子どもを認めてあげる

子どもにとって最大のご褒美は、親に認められることです。
その中でも特にパワフルなのが感謝です。

より具体的に感謝を伝えることで、子どもが自分で考えて動くようになります。

子どもが3~4歳になったら、「お手伝いしてくれたらうれしいな」と声をかけ、手伝ってくれたら、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。

そうすれば、依頼とお礼といったコミュニケーションの基本が学べるとともに、お手伝いに喜びを感じながら取り組み、その後も再びお手伝いに取り組んでくれるようになります。

 


 

【ポイント】 
・お手伝いにモノを“ご褒美”として与えない
・子どもには“感謝の言葉”を与える
・親は子どもを常に“認めてあげる”

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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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