共働き家庭は子どもとの接し方の質を高めていきましょう【浦谷博士のEQ力コラム vol.8】

みなさん、こんにちは。
EQ力を育てるEQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。

3月中旬に早稲田大学で開催された
「日本発達心理学会」に参加しました。

子どもの発達に関する学会としては最大級の学会で、
多くの研究者が集っていました。

様々な研究発表がありましたが、中でも興味深かったのは、
「子どもの発達を支えるマインドフルネス」
と題したシンポジウム。

マインドフルネスとは、わかりやすく言うと「瞑想」のことで、
EQWELチャイルドアカデミーでは、
呼吸法やイメージトレーニングとして取り入れています。

マインドフルネスの育児や教育への応用に関する最新情報として、

イギリスでは40万人以上の子どもがマインドフルネスのプログラムを受講していて、
 うつ症状、ストレスの改善、健康感の向上などの効果が示されている

子どもと自分のこころに気づく「マインドフル育児」で、
 子どもも養育者も健康になった

「今、ここでの身体感覚に、受容的に気づく」ための2週間のワークで、
 不安感などのネガティブ感情が減り、
 気づきと受容力が増し、子どものかかわりに改善が見られた

といった話を聞くことができました。

今回は、「共働き家庭は子どもとの接し方の質を高めていきましょう」
というテーマでお伝えいたしますが、共働きで忙しい保護者の皆さんも、
子どもと呼吸法やイメージトレーニング(≒マインドフルネス)を一緒にすることで、
忙しい中でも心穏やかに育児ができるようになることと思います。

 


 
 

共働き世帯が増えている現代

厚生労働省が毎年発表している「国民生活基礎調査」によれば、
共働き世帯の数は、2000年頃を境に増え続け
2017年時点では、実に1188万世帯にまで増加しています。

共働きをしている家庭の大きな悩みが、子育て
特に「子どもと接する時間」は十分なのかというものです。

1980年代の初めには、共働き家庭は
今の半分ほどしかなく、現代の親世代の多くが、
子どもの頃、母親と一緒に過ごしたことを鮮明に覚えています。

昔ながらの価値観を持っていると、不安になるのも仕方ありません。

子育てに熱心でも、親として子どもと接する時間を
確保することが難しく、ふがいない気持ちになることが
あるのは間違いないでしょう。

ですが、子育てでは接する時間の長さではなく、
どう接するか、愛情を持って接することができるかといった、
密度の方が重要なのです

一緒にいるときにしっかりと子どもと向き合えば、
時間の短さを気にする必要はありません。

 
 

子育てで大切なのは長さではなく質

育児

子育てでは接する時間の長さではなく、
密度の方が重要なことを先ほど申し上げましたが
これには、科学的な裏づけもあります。

1.保育園で過ごす時間の長さは子どもの発達にはほとんど影響がない
2.家族で食事をしているか、親に育児相談をする相手がいるかなどの要因が
  子どもの発達を左右する

この研究の中心となったのは、筑波大学の安梅勅江教授です。
研究班は5年間、185名の子どもを対象に
発達調査と親へのアンケートを実施しました

その結果、保育時間の長さは
子どものコミュニケーション能力や運動能力に
影響していないことがわかったのです。

保育園に預けたら寂しい思いをさせるのではないかなど
親が不安な気持ちになることもあるかと思いますが
保育園でしか体験できないこともたくさんあります。

子どもと過ごす時間を、しっかりと愛情をもって
接していれば、心配することはありません。
 
 

家族そろった食事がもたらす効果

また、家族で食事をする機会がめったにない子どもに関しても、
重要な事実がわかりました。

そういった子どもたちは、家族で食事をしている子どもたちと比べて、
次のような差があるのです。

1.他人の問いかけに答える、対人技術の
  発達が遅れるリスクが70倍高くなる
2.理解度が遅れるリスクが44倍高くなる

さらに、親に育児の相談相手がいない家庭の子どもは、
指で物をつかむといった運動能力(巧緻性)の発達が
遅れる傾向も見られました。

育児において大切なことは、保育の形態や時間ではなく
子どもの発達に適した育児環境が準備されていることと
保護者に相談相手がいて、なおかつ
保護者が育児に対する自信を持つことです。

共働きで子どもと接する時間が短くても
気にする必要はありません。

限られた時間の中で密度が濃く、質の高い接し方が出来れば
子どもの頭も心も体も、すくすくと健全に育っていくのです。


 
 


新元号が「令和」に決まりました。
その「令和」イベントの第一弾として、
5月5日(日)にホテルニューオータニ(東京)で

『AI時代に活躍する「天才脳」の育み方』

と題した教育講演会を開催いたします。

詳細はコチラ↓↓↓
https://www.newotani.co.jp/tokyo/event/eqwel/

同会場のEQWEL主催GWイベントを含め、
ご関心のある御方は是非、足を運んでいただければ幸いです。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(浦谷裕樹)