子どものやる気を育てるためにできる最高の手法とは? 【浦谷博士のEQ力コラム vol.20】

みなさん、こんにちは。
EQ力を育てるEQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。

5月9日のNHKスペシャルで水泳選手・池江璃花子の特集が放映されました。
池江璃花子はEQWELメソッドで育った卒業生の一人です。

2018年に華々しい成績を連発し、一躍日本を代表する選手へと成長を遂げたものの、
2019年に突然白血病が発覚。
「死にたい」とまで漏らした過酷な入院生活を余儀なく送ることになりました。

その辛い日々を乗り越え、昨年末に退院。
その後、406日ぶりにひとりプールへ還ることができました。

2024年のパリオリンピックを目指し、リハビリやトレーニングを続ける中、
新型コロナウイルスの感染が拡大。

「当たり前の日常」を突然奪われた多くの人びとに自分の姿を重ね、

「どん底から這い上がる自分の姿が
 誰かを元気づけられるのではないか」

と思うに至るまでの姿を追った内容でした。

若干19歳ながら、これだけ多くの人々に勇気と感動を与える姿に
このEQWELメソッドで育つことの意義深さを感じました。

池江璃花子は3歳から水泳を始め、一年ほど離れる憂き目には遭いましたが、
その後もまた水泳を続けています。
こういった子どものやる気はどのようにすれば育めるのでしょうか?

今回は、「子どものやる気を育てるためにできる最高の手法とは?」
というテーマでそのポイントをお伝えいたします。

 


 
 

優れたバイオリニストを数多く育てたことで知られる「スズキ・メソード」。
その創始者である鈴木鎮一氏は、一流を育てるための方法について、
親が進んで取り組み「率先垂範を実践すべし」と、次のように述べています。

「バイオリンを習いたい、と言ってきた子どもたちには、
最初からバイオリンを持たせることはしません。
まずは、その親にバイオリンで一曲弾けるようになるまで指導します」

親が弾けるようになってくると、子どもにとっては、
バイオリンのある環境が自然なものとなります。

そして、そのうちに「自分も習いたい」という意欲が、自然と湧いてくるのだそうです。
そうしたときに、はじめてバイオリンを持たせると、子どもはみるみる上達していきます。

普通の子どもは、自分からバイオリンを習いたいとは、なかなか思わないでしょう。
そのような子どもに、無理やり取り組ませても、決して上達は見込めません。

だからこそ、鈴木氏はまず自分から弾きたいという気持ちにさせること、
意欲を持たせることが熟達への第一歩だと考えているのです。

理化学研究所・脳科学総合研究センターの故・松本元ディレクターは、
このスズキ・メソードに対して、
「ある目的に価値を認め、意欲を持つことによって学習性を高める
という脳の特性とよく合致しています」
と述べました。

また、本田真凛さん、望結さん、紗来さんの父親である本田竜一氏は、
長男の太一さんが幼稚園生の時に、英検3級を受けさせたいと思いました。

しかし、いまいち、やる気が湧かなかった太一さんの様子を見て、
太一さんと一緒に、英検3級を受けることを決意し、勉強をはじめたそうです。
そんな父親の姿を見て、太一さんも勉強に熱が入り、
見事二人一緒に合格することができました。

何かに取り組むとき、子どもたちの意欲を引き出すために重要なポイントは、
「まずは親が実践すること」、すなわち「率先垂範」であるといえます。

親が本気で取り組むと、子どもは
「きっとこれは楽しいことに違いない。重要なことに違いない」
と思い、関心を示すようになるのです。

 


 
 

池江璃花子の母である池江美由紀先生(EQWELチャイルドアカデミー本八幡教室・講師)から、
池江璃花子の幼少時の子育て法について何度かお話を聞いたことがあります。

池江璃花子は兄と姉の影響で水泳に興味を持ち、自ら水泳がしたいと言い出したとのこと。
池江美由紀先生はその挑戦を促す環境を整え、事あるごとに、

「あなただったらできるよ」

「あなたの中には、もっともっと可能性があるんだよ。
もっともっと天井は高いし、天井の上には空があり、さら宇宙がある」

と言って限界をつくらなかったそうです。

池江美由紀先生も学生時代はとても活躍した陸上選手だったとのことで。
その背中を見せつつ、幼少期にこういった前向きな接し方をしたことが、
どこまでも伸びていく子を育む素地となった
のです。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(浦谷 裕樹)