子どもの将来を考える「叱り方」4つの指針 【浦谷博士のEQ力コラム vol.12】

講演会

みなさん、こんにちは。
EQ力を育てるEQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。

8月中旬に大阪本社で
京都大学大学院教育学研究科・明和政子教授の
講演会を開催しました。

明和政子教授はNHKスペシャルの監修・出演をはじめ、
TV・新聞・雑誌などで研究成果やアドバイス等が数多く紹介されている、
胎児・赤ちゃん研究の第一人者です。

「ヒトの脳と心の発達~知っておきたい3つのこと~」と題した
EQWELチャイルドアカデミーの講師向けの講演会で、
最新科学研究をもとに、
ヒトの脳が完成するまでに心がけたい教育・育児のポイントを
お話いただきました。

講演会は乳幼児の脳の発達に関するお話がメインでしたが、
個人的に興味深かったのはトピックス的に取り上げてくださった
「思春期に感情的になるのは脳のせい」というお話です。

思春期には感情をつかさどる辺縁系の方が、
思考や抑制をつかさどる前頭葉よりも発達が早まり、
そのギャップで感情的になるそうです。

その代わり、記憶力が増したり、自立心やチャレンジ精神が
芽生えたりするメリットもあります。

思春期の子どもがいる私にとって、たいへん納得できるお話です。

この時期はむやみに叱っても仕方がないのだな、と感じました。
子どもたち自身も、自分の感情をコントロールできずに悩み、苦しんでいるのです。

子どもの脳の発達のしくみという科学的知見をふまえることで、
それぞれの時期において「真に適切な」子どもへの接し方を、
具体的に組み立て、実践することが大切なのですね。

今回は、その接し方の中でも「子どもの将来を考える「叱り方」4つの指針」
をテーマにお伝えいたします。

 


 
 

叱り方にはルールが存在する

ほめることを意識して、「叱ってはダメだ」と思い込んではいけません。
我慢して感情をコントロールしたり、ルールを守ったりすることを教えるためにも、
叱ることは、ほめることと同じように大切です。

一方で、叱り方次第で、子どもが委縮したり、のびのびと成長したりすることが
できなくなったりするなど、非常に繊細な問題でもあります。


1.叱る基準を明確にする
まず、何をしたら叱るのか、基準を設けます。
基準を決めるときには、子どもと一緒に話し合い、親子で一緒にぶれない軸をつくるのです。
そうすることで、子どもはルールを守る大切さや、人としてやってはいけないことを
学ぶことができます。

2.1分以内に抑える
長い時間叱り続けると、子どもは親の話を聞き流すようになり、聞く耳を持たなくなります。
また、内容よりも感情面に意識が向き、
「自分はダメな子。だからママは自分のことが嫌いで、こんなに怒るんだ」と思わせてしまい、
子どもの自尊感情をつぶしてしまうことにもなりかねません。

3.昔のことを持ち出して叱らない
叱っているときに、過去のことを持ち出すのは、絶対にやめましょう。
それは、一つの間違いに対して何重にも注意することに他なりません。

そのうえ、昔のことをいつまでも根に持っていて、許していないことが子どもに伝わると、
「自分はいつまで経っても成長しないダメな子どもだ」という思いを植え付けてしまいます。

4.間違った行為を叱る
「あなたはダメな子ね!」「こんな子に育てた覚えはないわ」というように、
子ども自身の能力や存在を否定するようなことを言ってはいけません。

「ウソをついてはいけないのよ」「友達をたたいたらいけないのよ」と、
子どもがした間違った行為が、してはいけないことであることを伝えるようにしましょう。
 


 
 

徐々に秋の気配が忍び寄る中、今秋も各地で保護者勉強会を開催します。

9月29日(日) 札幌教室 (北海道)
10月1日(火) 岐阜教室 (岐阜県)
10月13日(日) 宝塚教室 (兵庫県)
11月4日(月・祝) 沼津寿教室・新富士教室 (静岡県)
11月11日(日) 名古屋講演会 (愛知県)
11月24日(日) 熊本フレンド教室 (熊本県)

詳しくは開催する教室にお問い合わせください。

【参考】 EQWELチャイルドアカデミー イベント&講演会
https://www.eqwel.jp/kouenkai/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。(浦谷裕樹)