赤ちゃんの頭と心、人間性を育む「語りかけのコツ」【浦谷博士の赤育コラム vol.2】

子育て

みなさん、こんにちは。
EQ力を育てるEQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。

赤ちゃん期は泣いたり、授乳したり、オムツを変えたり、
寝かしつけたりと、育てるのにはとても手がかかります。

それだけに時折見せる笑顔には癒されますが、
こういった赤ちゃんへの働きかけのときにほんのひと手間を加えると、
赤ちゃんの頭と心、人間性が豊かに育まれます。

何と、自信と意欲が増し、脳の様々な力が高まるというのです。

 
その付け加えたいひと手間とは

「語りかけのコツ」

です。

 
語りかけのコツとは、

1.スキンシップをしながら
2.赤ちゃんの目を見て
3.笑顔をベースに、表情豊かに
4.名前を呼んでから

赤ちゃんと接するというものです。

 
自己肯定感は0~2歳の間にに大きく育まれますが、
この語りかけのコツをすると、赤ちゃんは

「自分は大切にされている」
「自分のことをママは喜んでくれている」

と感じ、自己肯定感がグングン高まります。

 
さらに赤ちゃんの気持ちを代弁したり、
今したことを言葉で説明したりするのもいいでしょう。

 
例えば、オムツを変える前に、語りかけのコツをしてから、

「今からオムツを変えるよ」

と説明し、オムツを変え終わったら、

「はい、気持ちよくなりました。うれしいね~」

と気持ちを代弁するのです。

すると、赤ちゃんの共感力や語彙力を高めることにつながります。

 

スキンシップとアイコンタクトの効用


 
国内外の様々な研究から、

抱っこや愛撫などのスキンシップは子どもに安心感を与え、
  学ぶ意欲を高め、主体性を引き出す

生後半年過ぎの赤ちゃんに触りながら語りかけられると
  言語・思考を司る部分の脳活動が高まる

目を合わせるアイコンタクトは赤ちゃんの認知力・注意力を高める

見つめ合うと、距離・顔・単語の認知を司る
  脳の中側頭回がお互いに活性化する

ということがわかっています。

さらに、安心感のある人と見つめ合うと、
愛着を増すオキシトシンや意欲を高めるドーパミンといった
神経伝達物質がたくさん出るとのこと。

スキンシップとアイコンタクトには赤ちゃんの頭を活性化し、
心を育む効果がある
ことがよくわかります。

 

笑顔と語りかけの効果

 
笑顔に関しては以下のような研究報告があります。

生後6~7か月の赤ちゃんを対象にした実験で、
「笑顔」と「怒り顔」を見たときに
脳活動に大きな違いが生じました。

笑顔を見たときは喜びの情報を収集するために
脳の活動が継続した一方、「怒り顔」を見たときは
警告や危険を感じ、次に行動を移す必要があると判断したのか、
脳の活動が急速に低下していきました。

相手が笑顔か怒り顔かで、脳の情報の吸収力が変わるということです。

 
また、語りかけに関しては、

生後5か月の赤ちゃんは名前を呼びかけられると注意力を高める

やや高めの声でゆっくりと話すマザリーズをすると、
  赤ちゃんの注意を引きつけ維持させ、快感と安らぎを与え、
  言語理解を促し、絆を深める

3歳までの言葉かけが豊富だと脳の言語処理能力が高まり、
  9~10歳時点の学力アップにつながる

といった研究結果があります。

これらは赤ちゃんに話すときに無意識にしていることですが、
やはり赤ちゃんの発達には大きな意味があるのですね。

 

幼児や小学生になっても続けたい「語りかけのコツ」

 
このように、抱っこして見つめ合い、笑顔で名前を呼んで、
語りかけながら接することは、子どもの発達によい影響を与えます。

自己肯定感や意欲、共感力を育むために最もお勧めしたいシンプルかつ効果的な方法です。

 
赤ちゃんの頭と心、人間性を育む「語りかけのコツ」。

赤ちゃん期にこそ、たっぷりとスキンシップやアイコンタクトをし、
笑顔で名前の呼びかけや語りかけをするようにしましょう。

もちろん、幼児や小学生にも同じような効果があるので
できるだけ長く続けるように心がけるといいでしょう。
(浦谷 裕樹)

 
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