寝る子、寝ない子は2歳で決まる!?【浦谷博士の赤育コラムvol.4】
みなさん、こんにちは。
EQ力を育てるEQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。
9月18~20日に「日本赤ちゃん学会」に参加しました。
参加したといっても、今年(2020年)は初のオンライン開催!
会社のパソコンを通じて、研究発表を視聴しました。
今年も興味深い発表がいくつもありましたが、
中でも印象的だったのが「眠育」。
赤ちゃんや幼児の睡眠に関する研究です。
日本の子どもは睡眠時間が少ない
熊本大学の名誉教授であり、子どもの睡眠研究の権威である三池輝久先生によると、
「日本の子どもは睡眠時間が少ない(足りない)」
とのこと。
現代社会では夜型生活が定着し、子どもたちも寝る時間が遅くなっているのに、起きる時間はさほど変わっていません。
すると、脳機能を守り、心身を育むための十分な睡眠時間を確保できず、育ちに問題が生じることも。
その対策としては、
1.休日に朝寝坊(寝だめ)する
2.昼寝で補充する
3.週に1~2日早く寝てしまう日を作る
ことが挙げられます。
ただし、休日の起床時間が平日に比べて90分以上ずれると
「社会的時差ぼけ」を生じるリスクが高く、
将来、社会生活に適応しにくくなる可能性があるとのこと。
ですので、平日も休日も起床時間は90分以上ずらさずに
3.のように時々早めに寝て、睡眠負債を解消するのがおススメです。
子どもが必要とする理想の夜間睡眠は10時間(例:21時入眠、7時起床)。
それに加えて昼寝をしますが、昼寝は0~6歳にかけて徐々に減り、6歳以降には無くなります。
そのおかげで、小学生になると昼寝なしでも生活できるようになるのです。
上記の時間を基準にして、子どもがしっかりとした
質の良い睡眠を取れるように心がけましょう。
子どもの睡眠リズムは2歳までに決まる
もう一つ衝撃的だった事実は、
「子どもの睡眠リズムは2歳までに決まる」
ということ。
なんと2歳までに体内時計が完成するため、
それまでに睡眠リズムが整わないと体内時計に狂いが生じ、
その狂いがその後、定着してしまうのだそうです。
将来、朝8時からの園や学校に通うためには、朝6~7時に起きる必要があります。
しかし、2歳までにあまりにもの遅寝・遅起きや断眠などの乱れたリズムが定着してしまうと
その朝型生活に適応するのが難しくなってしまいます。
結局のところ朝型生活に適応するために睡眠を削って睡眠不足となり、
日中の活動に集中しきれないまま、睡眠負債も蓄積してしまいます。
その場合は前述の対策を講じる必要がありますが、
できれば2歳までの睡眠リズムに気をつけて、子どもの将来のためにも
早寝・早起きのリズムを身につけさせてあげたいものです。
夜間授乳は2か月を過ぎたらしなくてよい
では、どうすれば2歳までに睡眠リズムを整えることができるのでしょうか。
そのためには、早く寝かしつけるのが一番です。
21時就寝が理想ですが、難しければ21時半、
どんなに遅くとも22時までには寝かしつけましょう。
そして、朝は決まった時間(例:7時)に起こします。
東大生の親は20時台に寝かしつけている人が多かった
という調査報告もあります。
まさに「寝る子は育つ」ですね。
脳も心も身体も良質な睡眠でスクスク育つのです。
また、夜遅くの食事は体内時計が狂うので
与えないようにしましょう。
赤ちゃんは夜中に起きることがありますが、三池先生は
「夜間授乳は生後2か月を過ぎたらしない方がいい」
と言います。
夜中に泣き出すと、ついついお腹が空いているのかと思い
授乳をしてしまいますが、実は赤ちゃんは必ずしも
お腹が減っているわけではありません。
授乳しなくても、「大丈夫よー」とトントン優しく
たたいてあげるだけでスッと寝てくれることが多いもの。
夜中起きるたびに授乳すると、赤ちゃんはお腹が空いてもいないのに
無理やり飲まされ目が覚めて、体内時計が狂って
寝つきがさらに悪くなるという悪循環に陥ります。
生後2か月を過ぎたら夜間授乳は控えましょう。
できれば6か月までに終えた方がいいそうです。
(↑フランスでは小児科医がこのように指導しているとのこと)
子どもの脳と心と身体の成長のために
親も夜更かしせず、早めに寝て、
子どもと一緒に生活リズムを整える。
そうすれば、親子ともに健康で穏やかになり、
子どもはスクスクと育っていくのです。
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